太陽光発電は損なの?得なの?損した理由と失敗しないための対策を紹介
2022.01.05SDGsなどエネルギー関連の取り組みが話題になる今、「家を新築するタイミングで太陽光発電を導入したい」「太陽光発電に興味がある」という方も多いのではないでしょうか。
太陽光発電は光熱費が節約でき、災害時の備えにもなり、余剰電力の売電もできるなど、導入するメリットの多い設備です。
一方でインターネットで口コミを調べると、「太陽光発電を導入して失敗した」「損した」という声も。太陽光発電設備は百万単位の大きな買い物になりますので、絶対に損したくないですよね。
そこで、この記事では「太陽光発電は得なのか?」と疑問をお持ちの方へ、太陽光発電を導入する際に陥りやすい失敗を紹介するともに、
太陽光発電でよくあるトラブルとそれを回避する方法について解説します。
これを読めば、「太陽光発電で損した」「後悔した」となる可能性を大きく下げられますよ。
目次
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太陽光発電の契約時に起こり得る失敗や後悔とは?
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太陽光発電の導入後に発覚しやすいトラブルとは?
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太陽光発電で損をしない!トラブルを回避するポイントは?
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太陽光発電の5つのメリット
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太陽光発電は蓄電池との併用でよりお得に
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太陽光発電で「損した」とならないためには事前把握が大切
太陽光発電の契約時に起こり得る失敗や後悔とは?
太陽光発電で「損した」となる原因は、大きく次の2点があります。
・見積もり一社で契約してしまう
・相場から大きく外れた高額すぎる契約をしてしまう
ここからは、それぞれの失敗例について詳しく見ていきましょう。
「悪質業者と契約してしまった!」見積もり一社は一般的な相場が見えず危険
まず避けるべきは、一社のみの見積もりで契約してしまうことです。見積もりを一社しか取とらないことにより、たとえば以下のような失敗をする可能性があります。
・営業担当に「確実に元がとれる」と言われて契約したが、提案されたシミュレーション結果と実際の発電量が全然違う
・後で調べて良くない業者だと判明したが、クーリングオフの期間になかなか対応してもらえない
こうした失敗は、複数社で見積もりを取り、契約や提案の妥当性を比較することで避けられます。そのため、複数社から見積もりを取ることをおすすめします。
高額すぎる契約には注意が必要
前述の通り、複数社からの見積もりを取得し、太陽光発電設備および据え置き型蓄電池の相場を理解しましょう。
業者によっては、相場から外れるような高額な契約を提案される可能性も。導入費用が高額であれば、その分初期投資を回収できなくなる可能性も高まります。そういった意味でも、高額すぎる契約を提案してくる業者は避け、賢く購入することをお勧めします。
太陽光発電の導入後に発覚しやすいトラブルとは?
契約が終わり、太陽光発電設備の設置が完了。これで一安心と思いきや、導入後に問題が発覚したり、トラブルに巻き込まれたりするケースもあります。
よくあるトラブルには、次の5点があります。
それぞれのケースについて、具体的に確認していきましょう。
悪質業者の施工で雨漏りに
太陽光発電設備は基本的に屋根に設置します。そして一般的に、設置時には屋根に穴を開けた後、金具を使い固定しその後防水加工を施す「直打ち工法」がとられます。
適切な防水処理がなされていれば、雨漏りのトラブルが発生することはありません。しかし、防水処理の知識がない、または経験の浅い業者が施工すると、雨漏りのトラブルにつながる場合があります。
このようなトラブルを避けるためには、以下2点を確認してください。
・メーカー認定の施工業者であること
・過去の実績が豊富な業者であること
反射光や動作音で近隣に迷惑がかかる
太陽光発電設備の設置により、近隣に迷惑をかけてしまうケースもあります。たとえば、一般的には設置しない北側の屋根に太陽光パネルを設置してしまうと、隣家に強い反射光が差し込むことがあります。これにより室温が40度以上になったり、反射光が眩しく隣家の住人が生活に大きな支障をきたすレベルになったりと、深刻な被害につながってしまうことがあるのです。
また、太陽光発電を行うために必要な「パワーコンディショナー(パワコン)」がクレームにつながる場合も。パワコンとは、発電した電気を家で使える電気に変換するための機械です。このパワコンは、稼働時に高音が発生することがあります。
基本的に隣家からある程度の距離を空ければ問題になることはありません。しかし、ずさんな業者が隣家から近い位置にパワコンを設置してしまうと、隣家に高音が響き、迷惑をかけてしまう可能性があります。
契約した業者の倒産でアフターサービスが受けられない
太陽光発電設備を導入すると、一般的に10~15年にわたり保証が付きます。そのため、故障や不具合が発生しても、保証期間内であれば無料で修理や修繕をお願いできます。
しかし、落とし穴があります。もし契約した業者が倒産してしまった場合、保障が受けられない可能性があるのです。
たとえば、雨漏りが発生した場合や、台風でパネルが飛んでいった場合などには、工事トラブルの責任追及ができず、泣き寝入りになることも。そのため、可能な限り経営基盤がしっかりしていそうな業者を選ぶようにしてください。
ちなみに機械の故障に関しては、設置業者が倒産してもメーカーによっては保証してくれる場合があります。太陽光発電の導入時には、設置業者だけではなくメーカーの保証についても念のため確認すると良いでしょう。
積雪や台風の影響で予想外の費用がかかる
積雪が多い地域で太陽光発電設備を設置する際には、注意が必要です。雪の重みにより基礎や架台が歪んだり、太陽光パネルが外れたりするリスクがあるからです。そのため、太陽光パネルの設置角度や強度などを充分に考慮しておく必要があります。
地元での実績が豊富な業者であれば、豪雪によるトラブルを避けられるよう施工してくれる場合が多いです。そのため、地域の天候を熟知した業者を選ぶことをおすすめします。
また、台風による飛来物が太陽光パネルに当たりパネルが破損してしまうことがあります。固定用金具やパネルが飛散して他者に損害を与えた場合、修理や弁償などの費用も必要になります。
このようなトラブルを避けるためには、自然災害補償や火災保険の加入がおすすめです。修理や弁償に関する補償を受けられる場合がありますので、保険会社に事前に確認すると良いでしょう。
申請忘れや業者の不備で補助金がもらえない
クリーンエネルギーを普及するため、太陽光発電設備導入に対する補助金事業を多くの自治体が実施しています。しかし、せっかくもらえるはずの補助金が、支給申請を忘れたり、手違いがあったりなどの理由でもらえなくなる人もいます。
補助金申請は、多くの施工業者が代行を請け負っています。そのため、自治体に補助金制度があるかを確認し、忘れずに依頼する施工業者に相談してください。
太陽光発電で損をしない!トラブルを回避するポイントは?
それでは、ここまで解説してきたような太陽光発電でのトラブルを回避するためには、どうすれば良いのでしょうか。
トラブルを避けるには、以下3点が有効です。
ここからは、これらトラブルを避けるための方法を詳しく解説します。
悪質業者を回避する
悪質業者を簡単に見分ける方法があります。それは、「相見積もりを取る」ことです。
相見積もりとは、複数の業者に見積もりを取ること。前述した通り、複数の業者に見積もりを取ることで、施工費やサービス内容を比べることができます。そしてこの相見積もり避けようとする業者は、悪質業者である可能性が高いです。なぜなら、他社と比較されることで、自社の法外な費用が明らかになってしまうからです。
また、質問対応やコミュニケーションで悪質業者を見抜くこともできます。
たとえば、質問に対して曖昧な答え方をしたり、具体的な数字や細かい質問に答えられなかったりする業者はやめておいた方が良いです。さらに「得をする話ばかりする、発電量を多めに見積もるなど、メリットばかりを強く出す」「維持費用を見せない、曖昧にするなど、デメリットを出さない」業者も避けた方が良いでしょう。
発電量や設置の位置などのシミュレーションをする
太陽光発電は「導入すれば必ず得をする」というものではありません。設置できるシステム容量、日射量などにより採算が取れるかどうかが変わってきます。
たとえば年間予想発電量は、以下の計算式で算出できます(※1)。
年間予想発電量=1日当たりの年平均日射量(※2)×損失係数(70%~80%)×システム容量×365÷1
疑問点や不安なことは積極的に業者に質問・相談をする
設備機器の選び方やメンテナンス費用、保証の範囲など、気になることはどんどん施工業者に質問することをおすすめします。
施工実績が豊富で取り扱いメーカーが多い施工業者ほど、細かい質問やニーズにも丁寧に対応してくれる場合が多いためです。信頼できる業者を選ぶためにも、どんどん質問や相談をしましょう。
太陽光発電の5つのメリット
気になる「太陽光発電は得なのか?」についてですが、太陽光発電はこれまで説明した通り、無計画で導入しようとすると、トラブルが発生したり「損した」と思うような事態に陥ったりすることがあります。しかし、計画的に導入すれば、多くのメリットを得ることができます。
太陽光発電の主なメリットは以下の5つです。
・電気の自家消費と断熱効果により光熱費が節約できる
・電気料金の高騰リスクに備えられる
・余剰電力を売ることで収入が得られる
・災害時の備えになる
・環境にやさしい
太陽光発電のメリットについては、別の記事で詳しく解説していますので、こちらの記事もご覧ください。
太陽光発電は蓄電池との併用でよりお得に
太陽光発電とあわせて導入を検討したいのが、家庭用蓄電池です。太陽光発電設備を単体で導入するよりも、お得に賢く発電した電気を利用できます。
近年、防災の観点からも注目されている「蓄電池」
蓄電池があれば、災害時に送電網が絶たれても電気を使えます。そのため、蓄電池の導入は防災対策としても注目され、そのニーズが高まりつつあります。
実際にリミックスポイントが2021年8月に発表した調査結果では、「家を建てる際に"あったらいい"と思える防災設備」について、1位が住宅用設置型蓄電池、2位が太陽光発電システムとなっています。
出典:「台風シーズン到来。高まる自然災害への不安。8割以上の人が”必要”と回答! “備え”としての住宅用設置型蓄電池」(株式会社リミックスポイント)
また、その導入価格の低下も、蓄電池が注目されている理由の一つです。かつての家庭用蓄電池は高価でなかなか手が届きづらいものでしたが、昨今は技術革新により、比較的安価で手に入るようになっています。
蓄電池には国や地域の自治体からの補助金制度も
政府や自治体は、蓄電池を普及させるために様々な補助金を用意しています。たとえば一般社団法人環境共創イニシアチブは、国からの委託の元、蓄電池の導入や住宅の省エネ化などに使える補助金事業を運営しています。毎年補助金のメニューは変わりますので、使える補助金がないか調べてみるとよいでしょう。
さらに、地方自治体も独自の補助金制度を運営している場合があります。自治体のホームページなどで、お住まいの地域で使える補助金がないか調べてみることをおすすめします。
蓄電池の併用で「損をしない」太陽光発電導入に
蓄電池があれば、電気使用量が増え電気代の高い夕方や夜の時間帯に、太陽光発電で作った電気を利用することが可能です。これにより、太陽光発電単体を導入するよりも電気代を削減できます。特に固定価格買取制度(FIT制度)期間終了後は売電価格が大きく下がるため、自家消費するメリットが相対的に大きくなります。
蓄電池を導入するなら、パワコン一体型のリミックスバッテリーがおすすめです。本来、太陽光パネル用と蓄電池用それぞれに必要なパワコンが1台で済み、約20~30万かかるとされているパワコン費用の節約になります。
太陽光発電で「損した」とならないためには事前把握が大切
この記事では、「太陽光発電で損した」とならないための方法について解説しました。損をしないためには悪質業者や経験の浅い業者を避け、実績が豊富で信頼のできる業者を選ぶようにしてください。
悪質業者や経験の浅い業者との契約を避けるには、充分な下調べと複数業者への見積もり依頼が大切です。経験豊富な業者との協力としっかりとしたシミュレーションで、失敗を回避し、大きなメリットを得られる太陽光発電の導入を目指しましょう。
また、太陽光発電で作った電気を自家消費することで、電気代を減らすことが可能です。この電気代の削減効果は、蓄電池を併用することで飛躍的に高まります。蓄電池があれば災害時の備えにもなりますので、より安心して暮らせるようになりますよ。
太陽光発電を導入する際には、様々なメリットが得られる蓄電池の導入も、あわせて考えてみてくださいね。
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