一般家庭用の太陽光発電で電気の自家消費をしよう! メリットや補助金も紹介

2021.11.29 家の模型と電球

「自宅に太陽光発電を導入したい」「電気代を下げたい」など、防災や電気代節約の観点から、太陽光発電の導入を検討している方も多いのではないでしょうか?
そんな方が理解しておくべきことの一つに、太陽光発電における自家消費の仕組みがあります。

そこでこの記事では、「太陽光で発電した電気を自家消費できると、どんなメリットがあるのか」「自家消費と売電、どっちがお得なのか」をわかりやすく解説します。
導入前に調べておきたいことや、太陽光発電の導入費用がお得になる補助金についても紹介しています。

この記事を読めば、太陽光発電で自家消費をする魅力やメリットがわかります。

太陽光発電の自家消費や売電の仕組み

家庭用での太陽光発電において、発電した電気の用途は基本的に「自家消費」か「余剰売電」かの2択になります。

太陽光発電の自家消費や売電の仕組み

自家消費とは、発電をした電気をそのまま家庭で消費することです。自家消費した分だけ電気を電力会社から買わなくて済むため、電気代を減らせます。

余剰売電とは、発電した電気を自家消費しきれなかった分だけ、電力会社に販売することです。電気を売った分だけ、お金が所定の口座に振り込まれます。

自家消費でも余剰売電でも、基本的に太陽光発電の設備は違いがありません。しかし売電を行うためには、「事業計画認定申請(※1)」及び「系統連系申請(※2)」という手続きが必要です。

太陽光発電で電気を自家消費するメリット4つ

太陽光発電で自家消費を行うメリットは、次の4つです。

・電気料金を削減できる
・電気料金の高騰にも備えられる
・災害時の備えにもなる
・環境にやさしい

それぞれに解説します。

メリット① 電気料金を削減できる

自家消費ができるようになれば、家で使うために電力会社から買う電気の量を減らせます。

環境省によると、平成29年度の一世帯あたりの平均年間電力消費量は4,322kWh、平均支払金額は10.6万円です(※3)。つまり、1,000kWhあたり2.45万円の電気料金がかかる計算になります。
太陽光発電の1kWシステムの年間発電量は概ね1,000kWhですので、1kWの太陽光発電を導入すれば、この2.45万円の電気代が削減できるのです。

メリット② 電気料金の高騰にも備えられる

電気料金は毎年変動していますが、年々高くなる傾向があります。
太陽光発電により電気を自家消費できれば、今後電気代が高騰を続けたとしても、家計に大きな打撃を与えなくて済みます。

メリット③ 災害時の備えにもなる

自家消費型の太陽光発電を設置しておけば、災害時も安心です。送電網が遮断されても、太陽光さえあれば電気を使えます。
温度変化に弱いペットやお年寄り、小さい子どもがいる家庭や、医療機器を家庭で使っている家庭では特に重宝します。

メリット④ 環境にやさしい

太陽光発電設備を使えば、クリーンな太陽光エネルギーで発電できるため、CO2の削減にもつながります。

自家消費と売電、どちらがお得?

これまでは自家消費と売電のどちらがお得かについて、ケースバイケースであると言われてきました。電気代は一日の中で変動しますし、契約会社や蓄電池の有無、主な電気の使用時間帯とその消費量によっても変わってくるからです。

しかし、近年は売電よりも自家消費の方がお得だと考えられています。

次の図は太陽光発電の売電価格の推移です。家庭用太陽光発電(10kW未満)の売電単価は年々下落し、2019年度は1kWhあたり24円。2022年度は1kWhあたり17円となっています。

家庭用太陽光発電(10kW未満)の売電価格売電単価の推移

出典:「買取価格・期間等|固定価格買取制度|なっとく!再生可能エネルギー」(経済産業省資源エネルギー庁)

一方の電気料金は毎年上昇傾向にあります。2019年度の家庭用電気代は1kWhあたり24.8円。2019年度の売電単価は24円だったため、売電よりも自家消費の方がお得になります。

家庭向け電気料金平均単価の推移

出典:「経済性 | 日本のエネルギー 2020年度版 「エネルギーの今を知る10の質問」 |広報パンフレット|資源エネルギー庁」(経済産業省)

今後も売電単価の下降や電気料金の上昇傾向が続くとすると、自家発電した電気は売らずに使った方がさらにお得になると考えられます。

太陽光発電の自家消費を検討している人が調べるべき3つのこととは?

今後自家消費型の太陽光発電設備を導入しようかと考えている方は、次の3点について調べることをおすすめします。

・自家消費のための太陽光発電に補助金が使えるか
・自宅の屋根に太陽光発電が設置できるか
・自分の住んでいる地域でどの程度発電が可能か

自家消費のための太陽光発電に補助金が使えるか

太陽光発電の導入に自治体が補助金を出している場合があります。
そのため、お住まいの地域で使える補助金がないか、以下のようなサイトで調べてみることをおすすめします。

太陽光発電補助金・V2H補助金一覧 | 太陽光発電の見積もり・価格比較サービス【エコ発】

たとえば、東京都と神奈川県では、2021年度において「0円ソーラー制度」を整備しています(※4、5)。
0円ソーラー制度とは、事業者に対し支給される助成金制度です。0円制度により、一般家庭では初期費用ゼロで太陽光発電設備を設置できます。

その仕組みは、太陽光発電設備を一定期間、事業者が家の持ち主にリースするというもの。家の持ち主は、太陽光発電設備により発電された電気を買い取ります。そしてその電気代は、助成金が上乗せされ、事業者のもとにわたります。これにより、事業者が初期投資分の費用を負担しても元がとれるような仕組みを構築しているのです。

一定期間(概ね10年間)が経った後、太陽光発電設備の所有権は、家の持ち主へ移ります。そのため家の持ち主は多大な初期投資費用を払わずに、太陽光発電設備を手にすることができるのです。

自宅の屋根に太陽光発電が設置できるか

一般的に太陽光パネルは屋根に設置します。この際に、1kWあたり10~15平米の面積が必要と言われています。ある程度の面積が屋根にないと、太陽光パネルは設置できないのです。

また、屋根が北向きである場合も太陽光パネルを設置できません。日光が差しづらく、発電に適さないためです。同様にパネル上に影が落ちると発電効率も下がるため、太陽が移動すると影が落ちるような場所では設置が難しい場合があります。

さらに、屋根が太陽光発電設備の重さに耐えきれる構造であることも必要です。屋根の骨格が弱い場合、設置ができない場合があります。瓦葺きでも設置はできますが、架台が必要になり、費用が高くなることもあります。

自分の住んでいる地域でどの程度発電が可能か

環境省の再生可能エネルギー情報提供システム「REPOS(リーポス)」によると、各地域ごとの発電量は次の表のようになっています。

地点 システム容量1kWあたりの年間予想発電量 (kWh/年/kW) 地点 システム容量 1kW あたりの年間予想発電量 (kWh/年/kW)
札幌 1,150 大津 1,153
青森 1,105 京都 1,160
盛岡 1,137 大阪 1,208
仙台 1,160 神戸 1,246
秋田 1,095 奈良 1,192
山形 1,143 和歌山 1,285
福島 1,150 鳥取 1,127
水戸 1,192 松江 1,124
宇都宮 1,188 岡山 1,259
前橋 1,240 広島 1,282
さいたま 1,198 山口 1,217
千葉 1,188 徳島 1,285
東京 1,134 高松 1,275
横浜 1,208 松山 1,294
新潟 1,118 高知 1,339
富山 1,118 福岡 1,233
金沢 1,118 佐賀 1,233
福井 1,140 長崎 1,253
甲府 1,339 熊本 1,275
長野 1,221 大分 1,221
岐阜 1,285 宮崎 1,339
静岡 1,301 鹿児島 1,307
名古屋 1,278 那覇 1,304
1,272 平均 1,215

出典:「令和元年度再生可能エネルギーに関するゾーニング基礎情報等の整備・公開等に関する委託業務報告書」より「表 3.2-2 各地の年平均日射量と年間予想発電量(都道府県庁所在地の地域別発電量係数)」(環境省 再生可能エネルギー情報提供システム [REPOS(リーポス)])

この表における「システム容量1kWあたりの年間予想発電量」に、家庭に導入する太陽光発電容量をかければ、おおよその発電量がわかります。

より詳細に自分の住んでいる地域のデータを計算したければ、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の日射量データベースをもとに算出することも可能です。

日射に関するデータベース | NEDO

太陽光発電とあわせて導入したい蓄電池の仕組みとそのメリット

太陽光発電とあわせて導入を検討したいのが蓄電池です。蓄電池があると、自家消費をより効率的に、無駄なくできるようになります。

具体的には、家庭で余剰売電を行う場合、次の図のような電気の利用ができるようになります。

余剰売電を含む運用イメージ

日光が差し発電ができる日中に、余った電力を蓄電池に充電。蓄電池がフル充電された後は売電を行います。日が沈んだ後に蓄電した電気を放電し、家庭で利用します。そして夜に足りなくなった分だけ電気を買うのです。

蓄電池を導入することで、次のようなメリットがあります。

・電気代がさらに削減できる
・曇りや雨の日、夜間や停電時にも太陽光発電による電気が使える
・パワコン一体型の蓄電池でよりお得に

メリット① 電気代がさらに削減できる

前述の通り、近年は発電した電気は売電するよりも自家消費する方がお得な傾向が続いています。蓄電池がない場合、日中発電した電気を自家消費しきれず、安い価格で売電せざるを得なくなることも。

ですが蓄電池があれば、日中余った電気を貯めておき、電気使用量の多くなる日没後に使うことができます。これにより、電気代をより一層削減できるようになります。

特に卒FIT後は売電価格が大きく下がるため、自家消費のメリットがさらに高まります。卒FITを見越して蓄電池を導入しておくことをおすすめします。

メリット② 曇りや雨の日、夜間や停電時にも太陽光発電による電気が使える

太陽光発電は、太陽がでている時にしか発電をしません。曇りや夜間には太陽光発電による電気は使えませんが、蓄電池があれば、日が差さない曇りや雨の日、夜間や停電時にも、貯めておいた太陽光由来の電気を使うことができます。

メリット③ パワコン一体型の蓄電池でよりお得に

蓄電池の中には、太陽光パネルで発電した電気を家庭で使えるよう変換し、蓄電池に貯めるところまで1台のパワコンで対応できる「ハイブリッドタイプ」のものがあります。このハイブリッド型の蓄電システムを使えば、余分なパワコンを購入する必要がないため、約20~30万かかるとされているパワコン費用の節約になります。電気の変換ロスを抑えて発電効率を上げることもでき、設置の際のスペースの節約もできます。

このように様々なメリットがあるハイブリッド蓄電池。太陽光発電とあわせて導入を検討してみてはいかがでしょうか。

高品質・低価格の家庭用ハイブリッド型蓄電池システム

太陽光発電の自家消費は長期的に見るとお得!あわせて蓄電池も検討を

この記事では、太陽光発電の自家消費について解説しました。
自家消費を行えば電力会社から買う電気の量を減らせるため、電気代を削減することが可能です。加えて災害の備えになり、環境にやさしい暮らしができる、といったメリットがあります。

一般家庭の場合、発電した電気は買電するのではなく自家消費する方がお得になる傾向があります。売電価格は右肩下がりであり、電気料金は上昇傾向にあるからです。特に卒FIT後は売電価格が大きく下がりますので、自家消費のメリットはさらに高まります。

自家消費のメリットをさらに高めてくれる蓄電池を導入すれば、太陽光発電で作った電気を、夜間や曇り、雨の日に使えるようになります。
太陽光発電を導入するのなら、蓄電池の導入もあわせて検討することをおすすめします。

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