災害に強い家とは?家を買う・建てる際に知っておくべきポイント

2021.11.29 災害に強い家

日本は、地震や台風、豪雨など様々な自然災害が起こりやすい地域です。
そのため、いつ起こるかわからない自然災害での住宅の被害をどのように最小限に抑えるかを考えることが、一戸建ての災害対策には重要になってきます。

今住宅購入を考えているという方は、さまざまな災害を想定したうえで災害に強い家を選ぶことが賢明です。どのような災害のリスクがあり、どんな対策を取れば災害に強い家と言えるのかを「立地」「構造」「間取り・設備」の観点から解説していきます。

そもそもどんな災害がある?

まず、日本における災害の種類としては、地震、水害、台風、火災、雨漏り、積雪などが挙げられます。

特に日本は歴史的に多くの地震が繰り返し発生している地域です。内閣府によると、南海トラフ地震においては、平成30年1月1日時点でマグニチュード8から9クラスの地震が30年以内に70~80%の確率で発生するとされており、今後も注意が必要です。(※1)

また、多湿の地域にあることに加えて、地球温暖化の影響などで、大雨や豪雨の可能性も増加しています。地理的に雨の多い場所では、さらなる大雨で地盤が緩み土砂災害が発生する可能性もあるでしょう。
氾濫しやすい河川や土地が低くて浸水しやすい場所などでは、浸水の被害が出ることも考えられます。

そこに加え、暴風の被害が気になるのが台風です。風によって屋根が剥がれたり、窓ガラスが割れたりすることもあるでしょう。

これらの災害では、家の倒壊や停電などが発生する可能性があり、いつも通りの生活ができなくなるということも考えられます。

※1 「防災の動き : 防災情報のページ」(内閣府)

災害に強い家とは?

自然災害はいつ起こるかわかりません。そんな災害への備えとして、どのようなことを考えますか?

一戸建ての災害対策として、災害に強い家を手に入れておくことは大きな意味を持ちます。備蓄物品や食料の準備はすぐにできる災害への備えですが、災害に強い家は建てる時にしか対応できない備えとなるからです。

では、災害に強い家とはどのような家を指すのでしょうか。

地盤の強さが一番のポイント

地震災害に備えた家を建てるなら地盤の強さがポイントとなります。
どれだけ頑丈な家を建てたとしても家の立つ土地そのものが弱いと地震の影響を受けてしまう恐れがあります。
造成地などでは盛土が十分固まっていないと地盤が弱く沈下するかもしれません。また、低地にあると周囲から水が集まりやすく地盤が軟弱になっている可能性もあります。

では、土地を選ぶときにはどのようにして地盤の強弱を知ればいいのでしょうか。

各自治体に地盤の強さなどの調査データが集められたボーリングデータがあり、詳しくチェックすることができます。
国土交通省の「重ねるハザードマップ」(※2)は、簡単にさまざまな土地の成り立ちを確認することができるので活用しましょう。

※2 「重ねるハザードマップ~自由にリスク情報を調べる~」(国土交通省)

木造よりも鉄筋コンクリート造りが人気の傾向

家を建てる時は、木造や鉄筋コンクリート造などの構造も選ぶことになります。構造によって設計デザインやコストが変わってくるので、一戸建てを手に入れる時には重要な要素となるでしょう。

災害への備えを考えた住宅を選ぶ傾向がある近年では、木造よりも鉄筋コンクリート造が人気です。これは耐震性に優れていているからはもちろんですが、鉄筋コンクリートの構造体のため制約が少なくて自由な間取りが作れることも要因となっています。

木造と鉄筋コンクリート造の違い

住み続けられる間取りや設備が整っている

災害が起こった後も住み続けることができるのが災害に強い家だとも言えます。一戸建ての災害対策として、災害後の住宅環境についても考えておく必要があるでしょう。

住宅が地震や水害の被害を免れたとしても、ライフラインの停止は避けられないことが考えられます。スーパーマーケットなどでは交通網が乱れることによる食料や物資の供給の停止も起こるでしょう。
そんなライフラインや物資不足にも対応できるような間取りや設備を整えておくことも災害に強い家にするためには必要です。例えば、停電に備えた電力の確保やパントリーを作って備蓄食料を確保しておくなどが一戸建ての災害対策として挙げられます。

このような災害から免れる、災害に耐えられる家が、災害に強い家として望ましいと考えられます。
次の段落から詳しく説明していきます。

災害に強い家を手に入れるためのポイント①「立地」

先ほどもお伝えしたように、地盤の強さが一番のポイントになってきます。軟弱な土地にどれだけ頑丈な家を建てても土台がしっかりしていないと傾きや歪みの原因となってしまいます。
同じような場所でも数メートル異なるだけで地盤の強さは変化します。地域や場所によってリスクに差があるということを知ることが災害に強い家を手に入れるための第一歩と考えましょう。

立地によって災害のリスクは異なってきます。例えば下記です。
その立地のリスクを回避するように対策をとることを重要視するようにしましょう。

・海沿い:津波
・山沿い:土砂災害
・低地・川沿い:水害

もし地盤の弱い場所なのであれば、コンクリートの杭を打ち込み地盤を強化する方法もあります。

低地や川の近くなのであれば、以下の方法が住宅を守るための対策方法になります。

水害から住宅を守るための対策

かさ上げ:盛り土によって敷地全体を高くし、周囲よりも基礎や床のレベルを高くすることで水害から守る方法です。

高床(高基礎):家の基礎を高くする方法です。浸水しても床上浸水を避けることが可能になります。

防水性の塀で建物を囲む:水防ラインを設定し塀を設けることで、建物を水害から守ります。

防水性の外壁を設ける:水防ラインを建物自体に設定して浸水から守るという方法です。この場合は。流れてきた水の浮力によって建物が浮き上がらないように基礎との接合強化が重要です。

ここまでご説明したように、災害に強い家を手に入れるためには、「災害に強い立地を手に入れる」または「災害に強い立地にする」ことがポイントです。

災害に強い家を手に入れるためのポイント②「構造」

住宅には木造や鉄筋コンクリート造などの建築構造の種類があり、それぞれ災害に対する強さが変わってきます。
今回は、前述した木造と鉄筋コンクリート造の特徴やメリット・デメリットについて見ていきましょう。

木造住宅の特徴とメリット・デメリット

住宅街

日本で最も主流な構造で、約8割が木造で建てられています。
特徴としては、土台と柱、梁と筋交いなどで構成されていて、筋交いの量と配置が耐震性能の決め手になっています。

【木造住宅のメリット】
・建築コストを抑えられる
・リフォームなどが容易でメンテナンス性に優れる
・通気性がよく、湿度の高い日本の気候に合う

【木造住宅のデメリット】
・シロアリや水により木材が劣化してしまう
・火災に弱い
・鉄筋コンクリート造に比べて耐震性が低い

鉄筋コンクリート造住宅の特徴とメリット・デメリット

鉄筋コンクリート造住宅

鉄筋とコンクリートを組み合わせることで、それぞれの長所を活かすことができ、耐震性、耐久性を発揮することが最大の特徴です。コンクリートは火災の燃焼や外気・雨水から鉄筋を守り劣化を防ぎます。
型枠が作れればどのような形でも作ることが出来るので、造形性に優れている工法です。

【鉄筋コンクリート造住宅のメリット】
・設計の自由度が高い
・耐震性と耐久性が高い
・気密性と遮音性に優れる

【鉄筋コンクリート造住宅のデメリット】
・建築コストが高い
・断熱対策と換気設備が必要

それぞれにメリット・デメリットがあるため、一概にどちらがいいとは言えませんが、災害対策の観点だけ考えると、鉄筋コンクリート造住宅の方が優位になっています。

また、素材だけではなく、「耐震等級」にも目を向ける必要があります。

耐震等級基準の耐震等級とは?

耐震等級とは、耐震性の指標として現在幅広く使われている指標です。2000年に施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(※3)で定められている判断基準で、等級1から等級3までの3段階に分けて表されます。

耐震等級1
・数百年に一度程度の地震(震度6強から7程度)に対しても倒壊や崩壊しない
・数十年に一度発生する地震(震度5程度)は住宅が損傷しない程度
耐震等級2
・耐震等級1の1.25倍の地震に耐えられるだけの性能・耐震強度水準
耐震等級3
・耐震等級1の1.5倍の地震に耐えられるだけの性能・耐震強度水準

耐震等級3は住宅性能表示制度で定められた耐震性の最高レベルで、一度大きな地震を受けてもダメージが少なく地震後も住み続けられ、大きな余震が来てもより安全であるというレベルです。
消防署・警察署は、災害時の救護活動・災害復興の拠点となるため耐震等級3で建設されています。

家を手に入れる際には、この「耐震等級」も留意しておきましょう。

※3 「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(国土交通省)

災害に強い家のポイント③「間取り・設備」

災害発生時に、家の中で移動しやすい動線が確保されているかがスムーズな避難に繋がります。
配置する家具などを想定して間取りを考えると思いますが、その際に、人が一人歩く幅と言われる60cm程度のスペースを残せるかをあわせて考えてみてください。適した距離を設けておくと避難のときにスムーズに移動することができます。

また、生活用品や食料品を置いておくパントリーは収納に役立つだけではなく、避難時の動線の確保にも効果的な設備です。パントリーがない場合は、廊下や勝手口近くに物を置いておくこともあるでしょう。そうすると、通路や出口を塞いで避難の妨げになってしまいます。

近頃は「在宅避難」という言葉もあります。在宅避難とは、自宅に危険性がないことを前提に、新型コロナウイルス感染症やプライバシーを考えて、災害時に避難所ではなく自宅で被災生活を送ることを指します。
自宅で避難生活を行うためには、停電や断水を想定して3日から1週間程度は生活できる備えをしておく必要があります。家族分の食料や飲料水、食器代わりの紙皿、トイレに使用する水などを備えておくためにもパントリーは役立ちます。

生活の中心となる空間を2階に設けることも有効です。浸水などの水害に見舞われても身を守ったり、生活することができます。このような間取りは一戸建てだからこそできる災害対策です。

災害で起こる停電に備えるための住宅設備

停電は地震や水害などで起こりやすく、電気が止まると生活に支障が出てしまいます。停電に備える設備として、太陽光発電システムと蓄電池をセットで置くのがおすすめです。

実際に、2021年8月12日に株式会社リミックスポイントが発表した調査では、家を建てる際に“あったらいい”と思える防災設備として、「住宅用設置型蓄電池」と「太陽光発電システム」が多い結果となっています。

防災設備

出典:「台風シーズン到来。高まる自然災害への不安。8割以上の人が”必要”と回答! “備え”としての住宅用設置型蓄電池」(株式会社リミックスポイント)

太陽光発電システムで自家発電を行い、それを蓄電池に貯めておくことで夜間や天気の悪い日でも電気を使うことができます。

災害時の備えとして有効な太陽光発電と蓄電池ですが、災害が起こらなくても設置するメリットはあります。
発電した電気を自宅で使えば電気代の節約につながりますし、電気を電力会社に売って利益を得ることも可能です。

導入コストを考えると設置を悩んでしまうこともあると思いますが、住宅購入時であれば住宅ローンに組み込むことも可能ですので、ぜひあわせて検討してみてください。

なお、太陽光発電と蓄電池どちらにも使えるハイブリッドパワーコンディショナーを備えた蓄電システムなら、余分なパワーコンディショナーを購入する必要がなく、約20~30万かかるとされているパワーコンディショナー費用の節約になります。

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万一のことを考えて災害に強い家を手に入れよう

近年の日本では、地震や台風、豪雨などの災害が頻発しています。今回は、そんな災害にも耐え得る災害に強い家を手に入れるためには、どのような備えをしたら良いのかをご紹介しました。

一戸建ての災害対策としてポイントとなるのは、「立地」「構造」「間取り・設備」です。家を手に入れる際には、この3つのポイントしっかりと確認するようにしてください。
一戸建ての災害対策の一つとして、太陽光発電と蓄電池の組み合わせが心強いものとなります。ライフラインの確保ができない間の電気の確保は、精神的な安定も与えてくれるでしょう。

災害はいつ起こるかわかりません。少しでも安心できるように、災害に強い家を手に入れて、充実したマイホームライフを送ってください。

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