太陽光発電は新築でつけるべき?メリット・デメリットを徹底解説

2021.10.20 家と電球のイラスト

家を新築する上で検討したいのが、太陽光発電設備の設置です。
電気代を節約できたり、災害時の電源に利用したりするなど、太陽光発電の設置にはさまざまなメリットがあります。発電した電気は自家消費するだけでなく、売電することもできます。
しかし、太陽光発電のデメリットについても理解しておかないと、後悔してしまうことも。

そこで今回は、太陽光発電を導入する上でのメリット・デメリットを徹底解説します。また蓄電池を利用した、太陽光発電のデメリットの解消方法、よくある質問とその回答についても紹介します。

この記事を読んで、あなたの新築の家に太陽光発電設備を導入すべきか検討してみてくださいね。

太陽光発電を導入する5つのメリットとは

太陽光発電の設置には、電気代の削減や災害への備えになることなど、様々なメリットがあります。太陽光発電を導入することによる5つの主なメリットについて解説します。

メリット① 電気の自家消費と断熱効果により光熱費が節約できる

太陽光発電を設置すると、電気を自分の家でつくり、消費できるようになります。電力会社から電気を買わなくて済むため、電気代が節約できます。

環境省によると平成29年度の電気の世帯あたり平均年間電力消費量は4,322kWh。支払金額は10.6万円です(※1)。実際の発電量は地域や状況によって異なりますが、太陽光発電の1kWシステムの年間発電量を1,000kWhとし、3kWのシステムを導入した場合、10.6万円✕(1,000kWh✕3)/4,322kWh≒7.36万円が節約できます。

なお経済産業省資料によると、一般的な太陽光発電のシステム設置費用は27.5万円/kWです(※2)。3kWの太陽光発電を設置した場合、設置費用は82.5万円となります。もし毎年7.36万円が節約できるとすると、11年弱で元が取れます。

導入費用の回収イメージ

ちなみに太陽光発電パネルの発電能力は毎年少しずつ下がっていきますが、一般的な耐用年数自体は20年から30年であると言われています。多くの家庭で十分投資回収が可能です。

また意外かもしれませんが、太陽光発電パネルを設置すると、それだけで夏は涼しく冬は暖かい家にすることができます。
家は屋根を通じ温まったり冷えたりします。太陽光が差すと屋根が温まり、その熱が室内に伝わります。また冬は放射冷却により熱が屋根を通じ室内から逃げていきます。これを防ぐためには、屋根と空の間に太陽光発電パネルのような構造物を設置することが有効です。

実際に屋根の下地である野地板裏面の温度を測定したところ、太陽光発電パネルを設置することで、夏場は11度近く温度が下がり、冬場は5度前後暖かくなります(※3)。

メリット② 電気料金の高騰リスクに備えられる

家庭向け電気料金は毎年変動していますが、2010年度比で約22%(2019年度)、最大約25%(2014年度)の上昇を見せています。

家庭向け電気料金平均単価の推移

出典:「経済性 | 日本のエネルギー 2020年度版 「エネルギーの今を知る10の質問」 |広報パンフレット|資源エネルギー庁」(経済産業省)

長期的なトレンドとして、現在化石燃料の燃焼による地球温暖化が進んでおり、CO2の排出量削減の必要性が叫ばれています。日本においては、CO2の排出を減らすことを目的とした炭素税の強化を環境省が検討しており(※4)、今後火力発電を主とする電気料金も値上げしていく可能性があります。

しかし、太陽光で自家発電ができれば、今後さらに電気料金が高騰した際に高い電気代を払わなくて済むでしょう。

メリット③ 余剰電力を売って収入を得る事ができる

発電した電気は、電力会社に販売することも可能です。
日本では、固定価格買取制度(FIT制度)があります。このFIT制度により、電力会社に売れる電気の価格が、家庭用の場合10年にわたり固定されます。そのため、太陽光発電設備の初期投資が何年で回収できるのか計算しやすくなっています。

メリット④ 災害時の備えにもなる

もし災害や事故などの影響で送電網が遮断されても、太陽光発電は太陽さえ出ていれば発電できます。防災対策としても優れています。

メリット⑤ 環境にやさしい

太陽光発電は、発電の過程でCO2を排出しない、クリーンな発電方法です。
太陽光発電を導入することで、エコな暮らしが実現できます。

太陽光発電4つのデメリットとその対策とは

一方、太陽光発電にはデメリットもあります。

デメリット① 設置費用が高い

先ほども紹介しましたが、太陽光発電の平均システム導入設置費用は27.5万円/kW。3kWの設備を設置する上では、82.5万円が必要です。
しかし、しっかり発電が見込める地域であれば、電気代削減や売電収入を通じ、十分回収が見込めます。また、まとまった金額が用意しづらい場合、設置時に設置費用をローンを組むことも可能です。

デメリット② メンテナンスが必要

太陽光発電は定期的なメンテナンスが必要です。
定期点検は3~4年ごとに1回程度が推奨されており、その相場は3万円程度とされています。

また、パネルとあわせて設置が必要なパワーコンディショナーは、10~15年で交換が必要です。そしてその交換費用は20万円~30万円ほどとなっています。

メンテナンスの時期は予測できるため、予算として積み立てておくことをおすすめします。

デメリット③ 設置場所の確保が難しい場合も

発電が難しいため、北向きの屋根には基本的に設置できません。
また、太陽光パネルの一部にでも影が落ちると、発電量がガクッと落ちるため、一日のうちどこかで影が落ちるような場所には設置が難しいです。
さらに、トタンのような重みを支えられない屋根には設置できません。

デメリット④ 曇りや雨、雪の日は発電できない

太陽光発電は日が差ささないと発電ができません。そのため曇りや雨の日が多く、日照時間が短い地域は太陽光発電が向いていない場合も。また特に豪雪地帯などでは、屋根に雪が積もって発電できないこともあります。
このような地域では、収支計算をシビアに行う必要があるでしょう。

太陽光発電のデメリットは、蓄電池を導入すれば解消できる? 蓄電池を併用するメリット3点

太陽光発電のデメリットを解消するためにもあわせて検討したいのが、家庭用蓄電池の導入です。
蓄電池は、その名の通り電気を貯めておくための設備です。電気代の安い夜間の電気や、日中に太陽光で発電した電気を貯め、電気代の高い時間帯に利用することができます。

蓄電池で電気を自家消費

家庭用蓄電池と太陽光発電を併用することで、太陽光発電の弱みを補え、強みをさらに活かすことが可能です。

メリット① 夜間や天候の悪い日でも太陽光発電による電気を使える

太陽光発電は、夜間や天気が悪い日には発電できません。しかし、蓄電池があれば天気が良い日に電気を貯めておくことができるため、発電できない日でも太陽光発電による電気を利用できます。

メリット② FIT終了後にもオトクに

太陽光発電による売電価格は、FIT制度により10年間保証されています。しかし、その後は売電単価が約1/6まで下落します。売電のメリットがなくなり、日中に電気をあまり使わない方は発電した電気を持て余してしまいます。

蓄電池があれば、日中に発電した電気を貯めておき、発電ができない夜から朝にかけて使うことができます。その分、電気を購入しなくて済むため、FIT終了後もお得に運用していくことが可能となるのです。

メリット③ 災害にさらに強くなる

蓄電池の設置は、太陽光発電のデメリットを解消するだけではありません。
太陽光発電のメリットに「災害時の備えとなること」がありましたが、このメリットが蓄電池もあわせて導入すると飛躍的に高まります。

太陽光発電を設置すれば、送電網が絶たれても晴れている日中であれば電気が使えます。またメリット①でお話しした通り、太陽光とあわせて蓄電池があれば、日が差す時間に蓄電することで、曇りの日や日没後にも電気を使えます。

電気が必要な医療機器、介護機器を使っている方や、赤ちゃんやお年寄りがいて温度管理が必要なご家庭、熱に弱いペットや観賞魚を飼っている方などには特におすすめです。

太陽光発電に関するよくある質問

ここでは、太陽光発電でよくある質問にお答えします。

太陽光で電気はどれほどまかなえるの?

前述した通り、平成29年度の世帯あたりの平均年間電力消費量は4,322kWhです。また、家庭に太陽光発電を設置する場合、その発電容量は一般的に3kW~5kWであると言われています。1kWの発電設備の年間発電量を約1,000kWhとすると、3,000~5,000kWhが発電できます。

つまり、3kW以上の太陽光発電を設置すれば、一年間に必要な電力量の69.4%以上をまかなえる計算になります。
しかし、実際は夜間や曇の日には発電できないため、蓄電池がなければまかなえる電力量は少なくなるでしょう。

売電収入はどう計算すればいい?

簡単な計算式は以下です。

「売電価格×売電量=売電収入」

1kWあたりの売電価格は10kWとそれ以上で異なりますが、一般住宅あれば設置可能面積は限られるため、大抵10kW未満になります。そのため売電価格は19円/kWhです(※5)。

売電量は設置した太陽光発電設備による発電量のうち、どの程度売電するかにより異なります。

太陽光パネルだけ設置すれば良いの?

発電した電気を家庭で使えるよう調整する「パワーコンディショナー」が必要です。

パワーコンディショナー

パワーコンディショナー単体でも販売はされていますが、パワーコンディショナーと蓄電池を兼ね備えた、ハイブリッド型の蓄電池システムもあります。太陽光発電と蓄電池をセットで導入する場合は、このハイブリッド型蓄電池システムを選択すれば、太陽光パネル専用のパワーコンディショナーを用意する必要がなくなり、コスト面でも設置場所の確保という面でもメリットがあります。

高品質・低価格の家庭用ハイブリッド型蓄電池システム(リミックスバッテリー)

その他に必要な設備としては、発電量をチェックするモニタがあります。また、HEMS(ヘムス・電力の見える化と一元管理を行う仕組み)への対応を希望する場合は、スマートメーターなどの機器も必要です。

太陽光発電のメリット・デメリットを理解し、確かな投資をしよう

この記事では、太陽光発電のメリット・デメリットを解説しました。
太陽光発電では、自家消費や売電をおこなうことで、電気代を削減できるメリットがあります。屋根に設置すれば断熱効果も生まれ、夏涼しく冬暖かい家にすることも可能です。また、CO2を排出しないため、環境にやさしい生活ができることも大きなメリットです。

一方の主なデメリットには、設置費用やメンテナンス費用がかかること、曇天時や日没後には発電できないことがあります。しかし、費用に関してはしっかり収支計算を行うことで解消できますし、蓄電池と併用することで曇天時や日没後でも太陽光で発電した電気を使うことが可能です。
さらに、蓄電池をあわせて使えば、防災対策としての効果も飛躍的に高まります。

太陽光発電や蓄電池の導入は長期間での回収が必要な投資です。
しかし、新築時だからこそ見通しも立てやすいので、家の新築時にはあわせて太陽光発電や蓄電池の導入の検討をおすすめします。

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