【2022年版】卒FITとは?FIT終了後、太陽光発電の一番お得な方法は蓄電池?

2022.01.05 fit終了

「FIT終了後は太陽光発電の売電ができなくなる?」
「卒FITしても、売電はした方がお得なの?」
FIT期間中と比べ何が変わるのか、そもそも売電を続けられるのかなど、FIT終了後どうなるのかわからない方も多いのではないでしょうか。

この記事では、一般家庭に太陽光発電を導入する上で必ず理解が必要な「FIT制度」と「卒FIT」について解説します。
また、卒FIT時に電気代が最もお得になる、太陽光発電と蓄電池の活用方法についても紹介しています。

これを読めば太陽光発電で損をしないために、FITについて知っておくべきことがわかります。

卒FITとは何のこと?基本を解説

ここでは、そもそもFIT制度とは何か、そして卒FITとは何を意味するのかについて解説します。

FIT制度とは「固定価格買取制度」のこと

FIT制度は「固定価格買取制度」とも呼ばれます。固定価格買取制度とは、太陽光発電などの自然エネルギーにより発電した余剰電気を、一定の期間、一定金額で電力会社が買い取らなければならないとする制度です。家庭用太陽光発電の場合、期間は10年間にわたり、電気の買取価格は高めに設定されます。

このFIT制度の目的は、再生可能エネルギーへの投資に対する回収予測を立てやすくし、普及の動機づけを行うことにあります。
ちなみにFITとは「Feed-in-tariff(フィードインタリフ)」の頭文字をとったものです。

FITの買取価格はどうやって決まる?

電気の買取価格(一般家庭にとっては売電できる価格)は、経済産業省が毎年決定します。たとえば、家庭用太陽光発電による買取価格は、2022年度で17円/kWh(※1)。つまり一般家庭が2022年度に太陽光発電を導入し売電をはじめた場合、10年間にわたり発電した電気を17円/kWhで売ることが可能なのです。

卒FITとは?

FIT制度とは固定価格買取制度のことですが、卒FITとは、固定価格での買取が終了することです。

家庭用太陽光発電であれば、売電を開始して10年後に卒FITとなります。11年目以降は電気の買取価格が下がるため、FIT期間中と比べて売電のメリットが小さくなります。

では、FIT終了後における余剰電力の買取価格は、具体的にいくらなのでしょうか。卒FIT後の買取価格は、以下の表のとおりです。

電力会社 余剰電力買取価格(税込)
北海道電力(※2) 8.00円/kWh
東北電力(※3) 9.00円/kWh
東京電力(※4) 8.50円/kWh
北陸電力(※5) 8.00円/kWh
中部電力(※6) 8.00円/kWh
関西電力(※7) 8.00円/kWh
中国電力(※8) 7.15円/kWh
四国電力(※9) 7.00円/kWh
九州電力(※10) 7.00円/kWh
沖縄電力(※11) 7.70円/kWh

※2021年11月時点の情報です。最新情報は下記電力会社のホームページをご参照ください。

電力会社によって異なりますが、買取価格は概ね7~8円/kWh程度です。2022年度のFITの買取価格は17円のため、卒FIT後は概ね半額程度まで価格が下落することになります。

「FIT終了後、太陽光発電による電気は売電できなくなる」と誤解されやすいのですが、卒FIT後は売電価格が安くなるものの、売電できなくなるわけではありません。

FIT終了後、3つの選択肢とは?

前述のように、卒FIT後は余剰電力の買取価格が下がります。そのため、そのまま売電しても損に感じることが多くなります。FIT終了後にそのまま売電する以外の選択肢はないのでしょうか。

FIT終了後の選択肢には、主に以下の3点があります。

①継続して同じ会社に売電する
②売電する会社を選びなおす
③蓄電池を導入し自家消費する

「①継続して同じ会社に売電する」場合、売電価格は下がりますが、特に手続きを行う必要なく売電を続けられます。

「②売電する会社を選びなおす」場合、そのまま売電するより単価が上がることが多く、9円~10円/kWh程度で売れることも。住んでいる地域や電気事業者によってサービスや買取価格が異なるため、詳しくは資源エネルギー庁のホームページ(※12)で確認ください。

「③蓄電池を導入し自家消費する」場合は、日中に発電した電気を貯め、夕方や夜間に電気を使うことで、購入する電気の量を減らしていきます。

FIT終了後、最もお得な選択肢は「蓄電池の導入と自家消費」

ここまではFIT終了後にとれる選択肢について解説しましたが、結局のところ、どれが一番お得なのでしょうか。

蓄電池の導入が最もお得

結論としては「③蓄電池を導入し自家消費する」が最もお得だと考えられます。その理由は、電気料金がFIT終了後の売電価格よりも高く、今後上昇が続くと予想されているためです。売電ではなく購入する電気の量を減らすほうがお得なのです。

次の図は、近年の家庭用電気料金の推移を表しています。

電気料金平均単価

出典:「買取価格・期間等|固定価格買取制度|なっとく!再生可能エネルギー」(経済産業省資源エネルギー庁)

2019年度の電気料金は24.8円/kWh。FIT終了後の売電価格は概ね7~8円/kWh程度、電力会社を乗り換えても概ね9~10円/kWh程度ですので、売電するより自家消費したほうが、15~17円/kWhほどお得になります。

そして自家消費の割合を増やすには、蓄電池の導入が有効です。一般家庭において電力消費が増えるのは、夕方から夜にかけてです。この時間帯は日が沈むため、太陽光による発電はできません。そのため、蓄電池がなければ太陽光由来の電気を使えないのです。
しかし、蓄電池があれば、日中に発電した電気を貯めておくことが可能です。日が出ていない時間帯でも、太陽光由来の電気を使うことができ、電気代を削減できます。

ただし、蓄電池の容量には上限があります。容量を超えては蓄電できません。そのため、蓄電しきれない余剰電力は売電したほうがお得です。そして売電する際には、電力会社の切り替えも検討し、電気を高く買い取ってくれる会社を探すとよいでしょう。

このような発電電力と消費電力のモデルをまとめると、次の図のようになります。

運用イメージ

蓄電池を導入すれば災害対策にも

蓄電池の大きなメリットは、電気代の削減以外にもあります。それは、災害への備えになることです。災害発生時に送電網が絶たれても、太陽光発電と蓄電池があれば、昼夜問わず日中発電した分だけ電気を使用することができます。

実際に、蓄電池は防災設備として最も人気です。リミックスポイントが2021年8月に発表した調査では、「家を建てる際に"あったらいい"と思える防災設備」について1位が住宅用設置型蓄電池、2位が太陽光発電システムとなりました。

あったらいい防災設備

出典:「台風シーズン到来。高まる自然災害への不安。8割以上の人が”必要”と回答! “備え”としての住宅用設置型蓄電池」(株式会社リミックスポイント)

このように、蓄電池があれば、FIT終了後にお得になるだけでなく、FIT期間中にも安心して暮らすことができるようになります。

メリットについて、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

一般家庭用の太陽光発電で電気の自家消費をしよう! メリットや補助金も紹介(リミックスバッテリー)

蓄電池はローンを組める

このようにメリットの多い蓄電池ですが、導入のネックになるのが初期費用の高さです。一般的に蓄電池の設置には、80~200万円程度の費用が必要だといわれています。
しかし、蓄電池はローンを組むことも可能なため、購入のハードルは想像より高くありません。蓄電池の導入に利用できるローンとしては「ソーラーローン」や「リフォームローン」などがあり、また住宅購入時であれば「住宅ローン」に組み込むことも可能です。

さらにハイブリッド蓄電システムを内蔵した蓄電池を選べば、20万~30万円程度かかるパワーコンディショナーの費用を節約できます。卒FITを見越してハイブリッド蓄電システム内蔵の蓄電池を導入するのは、賢い選択肢といえるでしょう。

高品質・低価格の家庭用ハイブリッド型蓄電池システム

FIT終了を見越して、太陽光発電と蓄電池を賢く利用しよう

この記事では、家庭で太陽光発電を導入したい人向けに、卒FITとは何か、FIT終了後におすすめの選択肢について解説しました。

卒FITとは、固定価格買取制度の期間が終了することです。卒FIT後は売電価格が大きく下がるため、その分自家消費がお得になります。ちなみに「卒FIT後は売電できなくなる」という誤解がありますが、卒FIT後に売電すること自体は可能です。

その上で、卒FIT後に最もお得になる選択肢は、蓄電池を導入することでした。日中に発電した電気はまず自家消費に回した上で、余剰電力を貯め、日没後に備えます。それでも蓄電しきれず電気が余る場合に売電を行えば、発電した電気を無駄なく有効活用できます。

なお、蓄電池を導入する際には、パワーコンディショナー代を節約できる、ハイブリッド蓄電システムを搭載したタイプがおすすめです。また蓄電池の導入に使えるローンもありますので、上手に活用しましょう。

この記事が卒FITを見越した蓄電池導入の参考になれば幸いです。

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