自家発電の種類とメリット、費用は? 選ぶ方法も解説

2021.10.20 家と電球のイラスト

「災害が増えてて不安……」「毎月の電気料金が高くて困っている……」
そんなお悩みはありませんか?

自然災害への備えや電気代の節約のためにおすすめなのが、自家発電設備の導入です。

自家発電設備があれば、停電時に電気が使え、導入する自家発電の種類や条件によっては、電気代がかなりオトクになるものも。しかし自家発電には様々な種類があるため、どの方法を選んだら良いかわからない方も多いはずです。

そこでこの記事では、自家発電の種類とその特徴、メリットを比較表でご紹介します。

そもそも自家発電とは?

自家発電とは、自分の家や施設で発電を行い電気をまかなうことです。
停電時でも電気を使えるため、自家発電は災害対策の観点からも注目されています。

近年、自然災害への備えに意識が高まっています。2021年8月12日に株式会社リミックスポイントが発表した調査では、自然災害に“不安”を感じる人の割合が83.6%、自然災害への「対策意識」が高まりつつある人の割合が76.2%となりました。

不安を感じる割合の円グラフ対策意識の割合の円グラフ

出典:「台風シーズン到来。高まる自然災害への不安。8割以上の人が”必要”と回答! “備え”としての住宅用設置型蓄電池」(株式会社リミックスポイント)

家庭でできる自然災害への主な対策として、自家発電設備の導入があります。自家発電設備があれば、災害時に送電網が絶たれても、電気を利用できます。

また、太陽光発電のような自然エネルギー由来の自家発電方法を選ぶことで、電気代をおさえながらエコに生活できます。

自家発電には、様々な種類があります。自家発電の種類としては、大きく以下の2つに分類が可能です。

・常用自家発電設備
・非常用自家発電設備

常用自家発電設備は、家や施設において常に稼働するような発電設備のことです。発電方法としては、太陽光発電や燃料電池などがあります。
家庭用は基本的に据え置き型であり、導入の主目的は電気代の節約ですが、停電時の予備電源を兼ねることもできます。

非常用自家発電設備とは、災害や事故による停電時に使う予備電源のことです。家庭用は基本的に持ち運びや移動が可能な可搬型です。
導入の主目的は停電対策であり、一時的な利用が前提となります。

常用自家発電設備の種類とその特徴、メリットと注意点とは

ここからは、自家発電の種類を解説します。

常用自家発電設備には、大きく「太陽光発電」と「燃料電池」の2種類があります。なお太陽光発電や燃料電池には非常用に使う可搬型のタイプもありますが、主に流通しているのが据え置き型であるため、ここでは常用自家発電設備として解説します。

太陽光発電と燃料電池の特徴を比較表にあらわすと、以下のようになります。

自家発電の種類 太陽光発電 家庭用燃料電池
原理 太陽光を電気エネルギーに変換する ガス中の水素と空気中の酸素を反応させ、電気と熱を発生させる
電力源 太陽光 ガス
パワコン・インバータ(※1)の必要性 必要 不要
一般的な出力 3~5kW 0.7kW(※3)
一般的な導入費用 82.5万円~137.5万円(※2) 200万円程度(※4)
電気代削減効果
CO2排出の有無 なし あり
災害時の利用 ◯(蓄電池がある場合は夜間・悪天候時も利用可能) △(電力供給がないと動かない機種も)

太陽光発電の特徴

太陽光パネル

太陽光発電とは、太陽の光エネルギーを吸収して直接電気に変える発電方法です(※5)。この太陽光発電は、自然由来のエネルギーを元に家庭で自家発電を行う場合、現在一般的に最もコストパフォーマンスが良いと考えられています。発電した電気を自家消費するだけではなく、電力会社に販売することも可能です。

ただし太陽光発電では、曇りや雨の日、夜間に発電できません。そのため、夜間や悪天候時に電気を使うために蓄電池の導入を検討する必要があります。また設置に関しては電気事業法などの法律を遵守する必要があり(※6)、信頼できる事業者をしっかり選定しなければなりません。

家庭用燃料電池の特徴

燃料電池とは、都市ガスやLPガスに含まれる水素と空気中の酸素を反応させ、電気をつくりだす発電方法です。

燃料電池の仕組み

この化学反応は「2H2+O2→2H2O」といったとてもシンプルな化学反応式で表現できます。
この反応が起きる際に電子が放たれ、電流が発生します。あわせて熱も発生するため、お湯を沸かし家庭内で利用できます。

発電と給湯を同時に行えるため、省エネや光熱費削減に貢献します。ただしお湯を使わないと発電ができないため、お湯をそれほど使わない夏場は出力が下がります。
また200万円程度の初期費用が必要であり、手が出しづらい理由のひとつとなっています。

非常用自家発電の種類とその特徴、メリットと注意点とは

非常用自家発電は、主に災害時の電源として利用します。内燃力発電と手動発電の大きく2種類があります。

自家発電の種類 内燃力発電 手動発電
原理 ガス、軽油、ガソリンなどを燃やし内燃機関により発電する 人力でタービンを回して発電する
電力源 化石燃料 人力
パワコン・インバータの必要性 不要(内蔵型モデルが多いため) 不要(内蔵型モデルが多いため)
一般的な出力 0.9~5.5kW(※7) ~40W
一般的な導入費用 12.1万円~61.6万円(※7) ~6.3万円
電気代削減効果
CO2排出の有無 あり なし
災害時の利用

なお「一般的な出力」に関しては、1W=1VAとして計算。

内燃力発電の特徴

内燃力発電とは、化石燃料を燃やし、エンジンやタービンを動かすことにより発電する方法です。ガソリンやカセットボンベなど、手に入りやすい身近な燃料を使い発電できます。インバーター内蔵のタイプもありますので、発電をした電気を変換する装置がなくても利用できます。
しかし、排気ガスが発生するため室内では使えません。

手動発電の特徴

ハンドルやペダルを回すことで、人力で発電する方法です。器械が壊れない限り発電できますが、出力が限られ、また発電に労力が必要であるため、用途は限定的です。

自家発電とあわせて検討を! 蓄電方法について

自家発電とあわせて検討すべきなのが、蓄電方法です。
そもそもですが、電気は蓄電池がなければ貯められず、その場で消費するか無駄にしてしまうかのどちらかしかありません。
しかし蓄電ができれば、発電した電気を無駄にせず有効活用できます。また、蓄電池があれば非常時にも電気が使えるため、非常用自家発電設備が不要になる場合があります。

家庭における蓄電方法は、大きく以下の3種類です。

・据え置き型蓄電池
・可搬型蓄電池
・EV車

それぞれの特徴を比較表にあらわすと、以下のようになります。

自家発電の種類 据え置き型蓄電池 可搬型蓄電池 EV車
使い方 自家発電した電気や送電網から送られてくる電気を貯め、緊急時や電気代の高い時間帯に使う 平時に充電しておき、災害時や電気が通っていない場所、移動中などに利用する 家庭や充電スタンドからのプラグを通じ電気を充電するV2H機器(※9)を使い、EV車に蓄えた電気を家に流すことで、据え置き型蓄電池代わりにもなる
一般的な導入費用 80~200万円程度 ~20万円程度 332.6万円~499.8万円(※10)
一般的な蓄電容量 11.5kWh(※8) ~1.5kWh 40kWh~60kWh(※10)
電気代削減効果 ✕(ガソリン代は削減可能)

据え置き型蓄電池の特徴

据え置き型蓄電池は容量が大きいため、夜間や災害時でも普段と変わらず電気を使うことができます。薄型のタイプも開発されているため、家の外に一畳ほどの敷地があれば設置できます。ただし導入に80~200万円程度の初期費用が必要です。

可搬型蓄電池の特徴

可搬型蓄電池はポータブル電源やモバイルバッテリーとも言われ、小さいタイプは携帯電話や携帯ゲーム機の充電用にもよく使われています。手軽に使えますが、蓄電できる容量は限られます。

EV車の特徴

電気をエネルギー源とする電気自動車(EV車)も、一種の蓄電方法であるといえます。EV車は災害時に非常用電源として利用できます。

結局、自家発電はどの種類を選べばいいの?

自家発電には様々な種類や発電方法がありますが、結局のところ、どの種類について導入を検討すればよいのでしょうか。
ここでは、編集部おすすめの自家発電について紹介します。

“安心” “お得” “サステナブル”を目指すなら太陽光発電とパワコン一体型蓄電池

まず導入を検討したいのが、太陽光発電と蓄電池のセット導入です。太陽光発電と蓄電池をあわせて導入すれば、災害への備えになり、電気代も削減でき、エコでサステナブルな生活が実現できます。

実際にリミックスポイントが行った調査では、「家を建てる際に"あったらいい"と思える防災設備」について1位が住宅用設置型蓄電池、2位が太陽光発電システムとなりました。

防災設備についての横棒グラフ

出典:「台風シーズン到来。高まる自然災害への不安。8割以上の人が”必要”と回答! “備え”としての住宅用設置型蓄電池」(株式会社リミックスポイント)

防災設備として多くの人が欲しがる人気の組み合わせだからこそ、導入しても後悔はしないでしょう。

ただし太陽光発電は、屋根の構造の都合で設置ができない場合や、日射量が少なかったり北向きだったりすると発電が見込めない場合もあります。その場合は太陽光発電は導入できないため、他の手段も検討すると良いでしょう。

ちなみに太陽光発電を導入する際には、蓄電池の利用に関わらずパワーコンディショナー(パワコン)も用意する必要がありますが、リミックスポイントではパワコン一体型の蓄電池も用意しています。

パワコン一体型の蓄電池を導入すれば、トータルの設置面積を小さくでき、10~15年に1度必要なパワコンの交換が不要になるため、20〜30万円かかるパワコンの交換費用を節約できます(※11)。

災害時に備えるだけなら初期投資額の少ない内燃力発電機やポータブル蓄電池

「災害の発生時に少しだけ使えればいい」「太陽光発電や蓄電池は気になるけど、初期投資額が大きく手が届かない」そんな方には、まずは数万円~数十万円程度で購入できる内燃力発電機やポータブル電源を揃えていくのもおすすめです。

まずは災害への備えをした上で、家の新築やリフォームなどのタイミングで太陽光発電や据え置き型蓄電池の導入を検討するとよいでしょう。

自家発電の種類や特徴を理解し、あなたにあった発電方法を選ぼう

この記事では、自家発電の種類やその特徴、蓄電池と組み合わせたおすすめの利用方法について解説しました。

自家発電は「常用自家発電設備」と「非常用自家発電設備」の2種類に分類できます。

主な常用自家発電設備には「太陽光発電」「家庭用燃料電池」があり、災害の備えだけではなく、電気代の削減やエコな暮らしの実現を目的に導入されています。また主な非常用自家発電設備には「内燃力発電」「手動発電」がありますが、蓄電池や電気自動車があれば不要になる場合もあります。

このように自家発電と蓄電の方法には様々な種類がありますが、どれがあなたにとって最適な方法かは、目的や用途、環境によって異なります。

今回紹介した比較表も参考にしながら、自家発電設備や蓄電方法についてご検討ください。

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