一軒家のリフォームの予算はどう考えればいい?オーバーさせない予算の立て方も紹介
2022.01.05
「リフォームしたいけど、どの程度予算を用意すればいいのかわからない」
「一戸建て住宅のリフォーム費用について相場を知りたい」
一軒家のリフォームを検討されている方の中には、リフォーム費用に関するお悩みや不安をお持ちの方もいるのではないでしょうか。
リフォーム費用は数万円で済む場合もあれば、数百万円~数千万円までかかる場合もあります。
そのため悪徳業者に騙されないためにも、リフォーム内容と費用に対して、相場観をつかむことが重要です。
そこで今回は一軒家のリフォームを考え中の方向けに、主なリフォームの内容とその費用相場を紹介します。
また予算の立て方も順序立てて解説します。
これを読めば、予算内で住宅のリフォームを実現するための方法がわかります。
目次
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リフォームの予算を立てる前に! 知っておきたい6つのポイント
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一戸建てをリフォームする場合の予算の立て方
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リフォーム時に考えたい防災対策
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一戸建て住宅のリフォームの予算は、内容と費用の相場を理解した上で組もう
リフォームの予算を立てる前に! 知っておきたい6つのポイント
お得に一戸建てのリフォームを行うためには、以下6点について理解しておくことをおすすめします。
・リフォームの平均費用と内容
・工事箇所別・目的別にかかるリフォーム費用
・リフォーム費用の変動要因
・リフォームでかかる諸費用
・リフォームに使えるお得な減税制度・補助金
・一戸建てのリフォームで使えるローン
ここからは、これら6点のポイントについて解説します。
ポイント① リフォームの平均費用と内容
一口にリフォームといえど、その内容と費用はピンキリです。最も一般的なリフォームは、どのような内容・費用なのでしょうか。
次の図は、2019年5月に経済産業省が発表した、リフォームビジネスの受注状況です。
出典:「経済産業省における住宅関連施策の動向」P.41、42(経済産業省製造産業局生活製品課住宅産業室)
このレポートによると、「劣化や壊れた部位の更新・修繕」といった小規模なリフォームが過半数を占めました。
またリフォームの受注額は、100万円未満の工事件数が約半数となりました。
ポイント② 工事箇所別・目的別にかかるリフォーム費用
リフォーム内容別の費用相場を、次の表にまとめました。
内容 | 費用の目安 |
---|---|
キッチンのリフォーム | 50万円(部分的なリフォーム)~300万円(システムキッチンやインテリアの入れ替え)程度 |
水回りのリフォーム | 10万円(トイレや洗面台の全体交換)~500万円(一室まるごとリフォーム)程度 |
耐震リフォーム | 20万円(床面の補強)~200万円(耐震パネルの設置、屋根材の変更など)程度 |
外壁リフォーム | 20万円(ひび割れ・剥離の修繕)~300万円(塗装、補修工事、外壁の張替えなど)程度 |
フルリノベーション | 400万円程度~ |
局所的な修繕やリフォーム、設備の交換であれば、費用は数十万円程度ですが、大がかりなリフォームになると数百万円単位で費用が必要になります。
ポイント③ リフォーム費用の変動要因
リフォーム費用は同じ工事内容なら一律、というわけにはいかず、物件にあわせて変動します。
その変動要因は、リフォームの規模や建物の築年数、劣化度合いや交換する設備の費用などが挙げられます。
ポイント④ リフォームでかかる諸費用
リフォーム時には施工費用だけではなく、税金の支払いが発生します。
主な税金は以下です。
名称 | 内容 | 金額 |
---|---|---|
印紙税 |
契約時の請負契約書に貼る収入印紙代。 ※電子契約ができる場合は無料。 |
契約額が300万円~500万円:2,000円(2022年3月31日までは1,000円) 契約額が500万円~1,000万円:1万円(2022年3月31日までは5,000円)(※1) |
登録免許税 |
金融機関のリフォームローン(有担保)を利用する場合、法務局へ抵当権設定登記をするための税金。 ※有担保ローンでない場合は不要。 |
ローンで借りる額の0.4%(2022年3月31日までは0.1%)(※2) |
不動産取得税 | 増改築のリフォーム工事を行い、不動産の価値が上昇した場合に支払う税金。 | 増築部の評価額×4%(2024年3月31日までは3%)(※3) |
固定資産税 | 増改築のリフォーム工事を行い、不動産の価値が上昇した場合に支払う税金。 |
固定資産税評価額×1.4%(※4) ※固定資産税評価額は調査によって決定 ※省エネやバリアフリー、耐震改修では減額措置あり(※5~7) |
贈与税 | 両親からの援助などでリフォームにかかる費用を一定額(110万円)以上もらった場合に支払う税金。 | 110万円を越えた金額分に応じて発生(※8) |
- 「建設工事請負契約書の印紙税の軽減措置」(国税庁)
- 「住宅:住宅用家屋の所有権の保存登記等に係る特例措置」(国土交通省)
- 「住宅:不動産取得税に係る特例措置」(国土交通省)
- 「土地の保有に係る税制」(国土交通省)
- 「住宅:省エネ改修に関する特例措置」(国土交通省)
- 「住宅:バリアフリー改修に関する特例措置」(国土交通省)
- 「住宅:耐震改修に関する特例措置」(国土交通省)
- 「No.4402 贈与税がかかる場合」(国税庁)
また、リフォーム工事以外にかかる費用もあります。
たとえばリフォーム期間の住居費用や引越し費用、場合によっては職人さんのお茶代などが挙げられます。
ポイント⑤ リフォームに使えるお得な減税制度・補助金
リフォームに補助金を出している自治体もあります。
主な補助金対象は、長寿命化や補強工事、耐震・耐火工事などのほか、景観の改善などです。
どのような制度があるのか、その概要については、住宅リフォーム推進協議会のホームページに記載のリフォームの補助制度(※9)を参考にしてください。
また、リフォームには税金の支払いが発生しますが、一定の要件を満たすリフォームを行った場合に利用できる減税制度もあります。
具体的には、以下のような減税制度があります。
・所得税の控除
・固定資産税の減額
・贈与税の非課税
・登録免許税の特例措置
・不動産免許税の特例措置
それぞれリフォームの内容により利用できる減税制度が異なります。
リフォーム内容と受けられる減税制度について、詳しくは住宅リフォーム推進協議会のホームページに記載のリフォームの減税制度(※10)を参考にしてください。
ポイント⑥ 一戸建てのリフォームで使えるローン
お得な金利でリフォームができる融資制度もあります。
たとえば【フラット35】リノベでは、中古住宅の購入とあわせ特定の条件を満たすリフォーム工事を行えば、低金利でローンを組めます。
【リ・バース60】というプランでは、60歳以上の人が利用できます。借主が亡くなるまで毎月利子のみの支払いで済む制度です。(※11)
さらに、多くの銀行が住宅ローンの一部としてリフォームローンのサービスを用意しています。
金利は概ね2%前後が標準です。
一戸建てをリフォームする場合の予算の立て方
リフォームに関する相場や利用できる補助金・ローンについて紹介したところで、ここからは一戸建ての住宅をリフォームする上での予算の立て方について解説します。
STEP① リフォームをする規模、場所を決める
まずはトイレやキッチン、外壁など、どこを直すのか、その修繕箇所を決めます。工事内容と費用相場については、先ほど紹介した「ポイント② 工事箇所別・目的別にかかるリフォーム費用」も参考にしてください。
STEP② 全体予算を決める
リフォームは費用をかけようと思えばいくらでもかけられるため、全体的な予算を決めるのが重要です。リフォームにどの程度お金をかけるのかを大まかに決めましょう。
STEP③ リフォームの予算配分と優先順位を決める
定めた全体予算を元に、どのような配分、優先順位で行うのかを検討します。リフォーム以外にかかる税金や諸費用についても考慮しましょう。
予算オーバーを防ぐためには、追加の工事が発生した場合に備え、余裕を持った予算設定をおすすめします。
STEP④ 補助金の利用を考える
行いたいリフォームについて、使える補助金がないか調べましょう。自治体が独自で制度を用意している場合もあります。
STEP⑤ ローンの利用を考える
最後にローンについて検討します。ローンは金利が発生するため、現金で支払う方が基本的にはお得です。しかしその他の生活費も考慮し、ローンを組んだほうが無理のないキャッシュフローとできる場合もあります。
また、外壁や屋根の損傷などを放置しておくと、住宅の劣化が加速度的に進行することがあります。リフォーム費用を貯めている間に取り返しのつかない事態になる可能性があるのです。そのため修繕に関しては、ローンを組んで早い段階で修繕を行うほうが、貯金してリフォーム費用を貯めるよりも安く済む場合があります。
リフォーム時に考えたい防災対策
長寿命化の工事、耐火・耐震リフォームなどを行う方や、将来にわたり住む家を快適にしたい方に考えてほしいのが、防災対策です。リフォームを行った上でできるだけ長く住みたい家だからこそ、災害が発生しても安心して暮らせるようにしたいですよね。
防災設備には様々なものがありますが、実は最も人気な防災設備は「太陽光発電」と「蓄電池」です。リミックスポイントが2021年8月に発表した調査によると、家を建てる際に"あったらいい"と思える防災設備は、1位が「住宅用設備型蓄電池」、2位が「太陽光発電システム」でした。
出典:「台風シーズン到来。高まる自然災害への不安。8割以上の人が”必要”と回答! “備え”としての住宅用設置型蓄電池」(株式会社リミックスポイント)
蓄電池と太陽光発電があれば、ライフラインである送電網が災害時に絶たれても、昼夜問わず電気が使えます。「寒い日にも暖房がつかえる」「食料を冷蔵保存できる」など、災害にともなう様々なトラブルを回避できるのです。
太陽光と蓄電池の導入費用は、条件を満たす家であれば、発電した電気の自家消費や売電を通じ十数年で回収可能だと考えられています。導入時にはまとまった金額の初期費用が必要ですが、ソーラーローンやリフォームローンなどのローンを組むことで、毎月少しずつ支払っていくことが可能です。さらに、自治体によってはその導入に補助金を出しているところもあります。これから一軒家のリフォームを行う方は、防災対策や節電のためにも、太陽光発電や蓄電池の設置を検討してみることをおすすめします。
太陽光発電と蓄電池についての詳細は、以下のページもご覧ください。
一戸建て住宅のリフォームの予算は、内容と費用の相場を理解した上で組もう
この記事では、一戸建て住宅のリフォームを行う際の費用相場や予算の決め方について解説しました。
リフォームに関して、大きな改修を行うイメージを持たれている方もいますが、実際は「壊れた部位の更新・修繕」といった小規模なリフォームが過半数を占めます。またリフォームの費用は、100万円未満の工事件数が約半数となっています。
局所ごとにリフォームを行うのであれば、費用相場は数十万円です。しかし、フルリノベーションのような大がかりな工事の場合、数百万単位で費用がかかることもあります。
リフォームの予算を立てる上では、相場観をつかんだ上で、リフォーム全体にかける総合的な予算を先に決めることが重要です。
リフォームの費用は、かけようと思えばいくらでもかけることができます。だからこそ、リフォームには優先順位づけと適切な予算配分が重要です。
今回紹介した費用相場も参考に、どうしたらより快適な家になるか、じっくり考えてみてくださいね。
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